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保育士の配置基準は園でどう違う?1歳児5対1加算と見学チェック

保育士の配置基準は園でどう違う?1歳児5対1加算と見学チェック 保育園入園

保育園の見学に行くと、同じ認可保育所でもクラスに立っている保育士の人数が園ごとに違うことに気づく保護者は少なくありません。これは園の方針の差だけではなく、国が定める職員配置基準そのものが2024年度(令和6年度)以降に段階的に見直され、さらに基準より手厚く配置した園に上乗せの加算が用意されているためです。

とくに1〜2歳児クラスは申込みが集中しやすく、入園先の候補を複数持っておきたい年齢です。このページでは、こども家庭庁の一次資料をもとに、年齢別の職員配置基準の考え方、2024年度以降の改正と経過措置、1歳児の配置改善加算の仕組み、そして見学時に確認できるチェックポイントを整理します。加算の取得状況や上乗せ基準は自治体・園によって異なるため、最終的な確認はお住まいの自治体と各園にお願いします。

年齢別の職員配置基準は「こども何人に保育士1人」で決まる

認可保育所の職員配置は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準などにより、こどもの年齢ごとに「こども何人に対して保育士1人」という形で下限が定められています。園はこの下限を下回ることはできませんが、上回る(つまりより手厚く配置する)ことは可能です。年齢が低いほど手厚い配置が必要になるため、0歳児クラスと4・5歳児クラスでは必要な保育士数が大きく変わります。

年齢 従前の基準 見直し後の考え方
0歳児 3人に保育士1人 変更なし
1・2歳児 6人に保育士1人 1歳児は加算により5人に保育士1人まで手厚くできる
3歳児 20人に保育士1人 15人に保育士1人へ改正(経過措置あり)
4・5歳児 30人に保育士1人 25人に保育士1人へ改正(経過措置あり)

この表は国が定める最低基準の考え方を整理したものです。自治体によっては独自の上乗せ基準や補助を設けている場合があり、実際の配置には地域差があります。地域ごとの調べ方は保育園の地域情報を調べる方法ガイドにまとめています。

2024年度に3歳児・4・5歳児の基準が改正された(経過措置つき)

こども家庭庁の資料によると、2024年度から、制度発足以来75年間一度も改善されてこなかった4・5歳児について、30対1から25対1への改善が図られ、それに対応する加算措置が設けられました。あわせて3歳児についても20対1から15対1への最低基準等の改正が行われています。3歳児については平成27年度から3歳児配置改善加算が措置されており、令和4年度の加算取得率は約90%と報告されています。

ここで保護者が知っておきたいのが経過措置の存在です。人材確保に困難を抱える保育の現場に混乱が生じないよう、「当分の間は、従前の基準により運営することも妨げない」とする経過措置が設けられています。つまり、改正後の基準どおりの配置になっていない園も制度上は認められている状態で、期限も現時点では示されていません。

実際の配置改善の進み具合も公表されています。全国の幼稚園・保育所・認定こども園を対象とした調査では、令和6年7月1日時点の配置改善の実施率は3歳児が全体で96.2%、4・5歳児が全体で94.4%でした。同年3月1日時点と比べると、3歳児は94.3%から96.2%へ、4・5歳児は90.7%から94.4%へ上昇しています。一方で未実施の施設に今後の改善見込みを尋ねたところ、約6割から約8割が「未定」と回答しており、人材確保が課題になっていることがうかがえます。

1歳児は「配置改善加算」で5対1まで手厚くできる

1〜2歳児クラスに直結するのが、令和7年4月に始まった1歳児配置改善加算です。1歳児の職員配置を5対1以上に改善した場合に、6対1の配置に要する経費との差額に相当する金額が加算される仕組みで、令和7年度予算では109億円が計上されています。こども未来戦略でも、1歳児について加速化プラン期間中の早期に6対1から5対1への改善を進めるとされています。

この加算の対象になるのは、次の要件をすべて満たす事業所です(配置基準がすでに5対1以上である小規模保育C型・家庭的保育・居宅訪問型保育は除かれます)。

  • 処遇改善等加算の区分1から区分3のすべてを取得している
  • 業務においてICTの活用を進めている(登降園管理、計画・記録、保護者連絡、キャッシュレス決済のうち、登降園管理ともう1機能以上の機器を導入し活用していること)
  • 施設・事業所の職員の平均経験年数が10年以上であること

要件の並びを見ると、この加算を取得している園は「職員の処遇改善に取り組んでいる」「事務のICT化が進んでいる」「職員が長く働き続けている」という3点で一定の条件を満たしていることになります。1〜2歳児の入園先を比べるとき、保護者が実際に確認できる数少ない客観的な手がかりのひとつと言えます。

ただし加算の取得は園の義務ではありません。取得していない園の保育の質が低いという意味ではなく、開設して間もない園や、地域の事情で職員の平均経験年数が要件に届かない園もあります。加算の有無は判断材料のひとつとして受け止めるのが適切です。

1〜2歳児の園選びで使える見学チェックポイント

配置基準と加算の仕組みが分かると、見学で聞くべきことが具体的になります。次の項目は、どの園でも質問しやすく、回答を比べやすいものです。

  • 1歳児クラスに実際に何人の保育士が入っているか。在籍児数とあわせて聞くと配置の実態が分かります
  • 3歳児・4・5歳児クラスが改正後の基準で運営されているか、それとも経過措置の適用中か
  • 1歳児配置改善加算を取得しているか。自治体が公定価格の加算状況を公表している場合もあります
  • 登降園管理や保護者連絡などのICTが導入されているか。連絡帳や欠席連絡の運用方法にも表れます
  • 職員の勤続年数や入れ替わりの状況。加算の要件にもなっている職員定着の目安になります
  • 朝夕の時間帯や行事の日など、配置が薄くなりやすい時間帯の体制

いっぽうで、配置人数だけで園の良し悪しが決まるわけではありません。保育内容や園庭の有無、通いやすさ、延長保育や土曜保育の運用、きょうだいの通園のしやすさなど、家庭ごとに優先順位は変わります。配置基準は「比較のための共通のものさし」として使い、最後は実際に見学した印象と合わせて判断するのが現実的です。

配置基準と「隠れ待機児童」はどうつながるのか

配置を手厚くするには、その分の保育士を確保できることが前提になります。未実施施設の多くが今後の見込みを「未定」と回答している背景にも、保育人材の確保の難しさがあります。保育士の求人状況については保育士は今も人手不足?有効求人倍率の記事で整理しています。

また、1〜2歳児クラスの入りにくさは、申込みの集中と定員配分のミスマッチによって生じています。公式の待機児童数と保護者の体感がなぜずれるのかは待機児童は過去最少なのに入れない理由で解説しました。3歳以降の転園を見据えた小規模保育の使い方は小規模保育所とは?3歳の壁の実態、制度全体の予算の動きは2026年度こども家庭庁の保育予算まるわかりが参考になります。

配置基準の改善は、入園の可否そのものを直接変えるものではありません。ただ、入園後にどのような体制で見てもらえるのかを左右するため、「入れるかどうか」と並べて確認しておく価値があります。

よくある質問

Q. 配置基準を満たしていない保育園はあるのですか?
A. 認可保育所は最低基準を満たすことが前提です。ただし3歳児・4・5歳児については、改正後の基準に対して「当分の間は従前の基準により運営することも妨げない」とする経過措置が設けられており、従前の基準で運営している園も制度上あります。気になる場合は見学時や自治体の窓口で確認してください。

Q. 1歳児配置改善加算を取得している園を調べる方法はありますか?
A. 全国を横断して一覧化された公表データは見当たりません。自治体によっては公定価格の加算状況や施設情報を公表している場合があるため、まずはお住まいの自治体の保育担当課に確認する方法が確実です。園の見学時に直接尋ねることもできます。

Q. 配置が手厚い園のほうが入りやすいのですか?
A. 配置の手厚さと入園のしやすさは別の話です。受け入れ可能な人数は定員と在園児の進級状況で決まるため、配置の改善が直ちに1〜2歳児クラスの空きにつながるとは限りません。入園の可否は自治体の選考(指数)によって決まります。

Q. 自治体が独自に上乗せしている基準はありますか?
A. 国の基準を上回る配置基準や補助を設けている自治体もあります。内容は地域によって大きく異なり、同じ都道府県内でも市区町村単位で違うことがあるため、自治体の入園案内や保育施設の公表情報を確認してください。

まとめ

  • 認可保育所の職員配置は年齢ごとに下限が定められており、2024年度に3歳児と4・5歳児の基準が改正された
  • 改正後の基準には「当分の間は従前の基準により運営することも妨げない」とする経過措置があり、園によって運用が異なる
  • 1歳児は令和7年4月からの配置改善加算により、6対1から5対1へ手厚くしている園がある
  • 加算の要件は処遇改善等加算の取得・ICTの活用・職員の平均経験年数で構成されており、園選びの確認材料になる
  • 加算の取得状況や自治体独自の上乗せは地域差が大きいため、自治体と園への確認が欠かせない

1〜2歳児の保活では、入れるかどうかだけでなく、入った後にどのような体制で見てもらえるかも気になるところです。配置基準と加算の仕組みを知っておくと、見学で聞くべきことがはっきりし、複数の園を同じものさしで比べやすくなります。

出典(2026年8月13日確認):

  • こども家庭庁「保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等)」/PDF資料(年齢別の配置基準の改正内容、経過措置、1歳児配置改善加算の対象要件、配置改善の実施状況を掲載)
【編集・制作ポリシー】
本記事は保育園コンパス編集部が、こども家庭庁の公表資料をもとに整理したものです。職員配置基準や加算の要件・運用は、今後の制度改正や自治体の判断によって変わる可能性があります。本記事は入園の可否や特定の園の評価を断定するものではありません。個別の判断は、お住まいの自治体の公式情報と各園への確認をもとに行ってください。
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