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病児保育・延長保育・一時預かりはどれくらいある?多様な保育の実施か所数を比較

多様な保育の実施か所数(令和5年度) 保育園比較
多様な保育の実施か所数(令和5年度)

「子どもが急に熱を出したけれど、どうしても外せない予定がある」「残業が続いて通常のお迎え時間に間に合わない」——保護者なら一度は経験するこうした場面を支えるのが、病児保育・延長保育・一時預かりです。ただ、これらの事業がどこにどれだけあるのか、正確に把握している人は多くありません。こども家庭庁が公表した令和5年度のデータをもとに、3つの事業の実施か所数と利用実績を並べて比較し、保活中や育児中の保護者が日々の生活設計に活かせる視点を整理します。

29,755 対 4,342——3事業の整備規模はここまで違う

令和5年度の実施か所数は、延長保育が29,755か所、一時預かりが10,908か所、病児保育が4,342か所です。延長保育が最も多く、一時預かりの約2.7倍、病児保育の約6.8倍という規模の差があります。利用実績に目を向けると、一時預かりの延べ利用児童数は3,855,873人、病児保育の延べ利用児童数は1,348,088人、延長保育の実利用児童数は948,778人となっています。

多様な保育の実施か所数(令和5年度)
多様な保育の実施か所数(令和5年度)(出典: こども家庭庁「多様なニーズに対応した保育の充実(病児保育・延長保育・一時預かり等)」をもとに編集部作成)

ここで「延べ」と「実人数」の単位の違いに注意が必要です。一時預かりと病児保育は同じ子が1年に複数回利用すれば、その回数分が加算される「延べ」カウント。延長保育の948,778人は何度利用しても1人として計上した「実人数」です。そのため3事業の利用実績を横並びで単純比較することは難しく、それぞれ別の指標として読む必要があります。

延長保育だけがなぜここまで多いのか——整備構造の違い

延長保育の29,755か所という数字は、3事業のなかで突出しています。この差は、事業ごとの設置要件の難しさに由来します。

延長保育は、認可保育所・認定こども園・小規模保育といった既存の認可施設が開所時間を延ばす形で提供します。新たな場所を確保する必要がなく、保育士・保育教諭がすでに在籍しているため、施設側の参入ハードルが相対的に低い。国が補助事業として普及を後押ししてきた経緯もあり、認可保育施設の整備とほぼ並走して広がってきました。

一時預かりは状況が異なります。保育所に通っていない子どもを短期間受け入れる性格上、空き状況の管理や利用登録の仕組みが必要です。実施か所数は10,908か所と、国全体で見れば相当数あるものの、需要と供給のバランスは地域によってばらつきがあります。

病児保育は3事業のなかで設置の難易度が最も高くなります。発熱や感染症状のある子どもを受け入れるには、医療機関との連携、看護師の配置、専用スペースの確保が求められます。4,342か所という数字は、こうした条件をクリアした施設が積み上げた結果です。裏を返せば、整備が追いついていない地域では近隣に1か所もないという状況が生じやすく、そこが病児保育最大の課題でもあります。

保護者が知っておきたい実務的な視点

「近くにあるか」は早めに確認する

3事業はいずれも、存在するだけでは使えません。特に病児保育と一時預かりは事前登録が必要な施設が多く、発熱当日に調べ始めても間に合わないことがあります。居住地・職場近くにどの事業が何か所あるかを、自治体の保育課窓口やこども家庭センターのウェブサイトで確認しておくと、いざという場面での行動が速くなります。

延長保育の実態は入園先で確認する

29,755か所という全国数字は平均的なイメージを与えますが、候補の保育施設が延長保育を実施しているかどうかは個別に確認が必要です。実施していても延長時間・料金・定員は施設や自治体によって異なるため、見学の際に「延長保育の時間帯と定員の上限」を具体的に聞いておくのが実際的です。料金の詳細は各自治体の公式情報を確認してください。

一時預かりはリフレッシュ目的でも利用できる

一時預かりは、急な用事への対応だけでなく、育児疲れによる休息や上の子の学校行事への参加など、幅広い場面で活用できます。延べ利用児童数が3事業最大の3,855,873人という規模は、こうした多目的な需要の広がりを反映していると読むこともできます。ただし利用できる理由や申込方法は施設・自治体によって異なります。各自治体の公式情報で条件を確認したうえで申し込んでください。

保活中に「病児保育の有無」も調べておく

保活では認可保育所に入れるかどうかに意識が集中しがちですが、入園後の日常を支えるのは入園先の延長保育だけではありません。近隣に病児保育や一時預かりがあるかどうかも、働き方の安定に直結します。

病児保育は整備か所数が4,342か所と最も少なく、地域差が顕著です。住んでいるエリアに施設がない場合、次に近い施設まで何分かかるかを把握しておくだけで、職場への相談内容や仕事の調整方法が変わります。入園前の段階で調べておくことが、後になってバタバタする状況を減らします。

制度・補助内容は変わることがある

本記事のデータは令和5年度時点の数字です。実施か所数・利用要件・補助の内容は今後変わる可能性があります。実際に利用を検討する際は、居住地の自治体窓口または公式サイトで最新の情報を確認してください。

まとめ

令和5年度の実施か所数は、延長保育29,755か所・一時預かり10,908か所・病児保育4,342か所という順です。設置要件の難易度と普及の歴史が、この数字の差を生み出しています。利用実績では一時預かりの延べ利用が3,855,873人と最大ですが、延べと実人数という計上単位の違いに留意して読む必要があります。

3事業はどれも「存在を知らなければ使えない」という共通点があります。保活の段階から自分の地域の整備状況を調べ、事前登録が必要な施設はあらかじめ登録しておく。そうした準備が、子どもの急な体調変化や仕事の都合に対して、保護者が落ち着いて動ける余地を作ります。

出典:こども家庭庁「多様なニーズに対応した保育の充実(病児保育・延長保育・一時預かり等)」(2026年(令和8年)公表資料)

【出典】こども家庭庁「多様なニーズに対応した保育の充実(病児保育・延長保育・一時預かり等)」(2026年(令和8年)公表資料)/一次資料: PDF

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本記事はRoute Bloom編集部がこども家庭庁・厚生労働省・各自治体の保育情報をもとに作成しています。保育制度は自治体ごとに異なります。最新情報は各自治体の窓口でご確認ください。 編集ポリシーはこちら
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